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Voyage BEAUTE ~リュクスな時間~特別編|軽井沢から世界へと羽ばたく味の旅へ… ホテルブレストンコート

連載「Voyage BEAUTE~リュクスな時間~」第二回 でも訪れた、"美食のホテル"軽井沢ホテルブレストンコートは、総料理長の浜田氏が、ボキューズ・ドール国際料理コンクール国内最年少優勝者ということで話題となりましたが、今年は新たに二人のシェフがボキューズ・ドール入賞を果たしました。
一人は国内3位の坂家シェフ、そして、国内優勝者として勝ち残った中洲シェフは、先日上海で行われたアジア大会にて見事アジア代表の座を射止めました。
そこで、今回は彼ら、軽井沢ホテルブレストンコートの美食の勇者たちにインタビュー!
シェフたちや、スタッフの、地元信州の素材を生かした料理に懸ける想いを聞かせていただきました。
インタビュアーは「Voyage BEAUTE~リュクスな時間~」のナビゲーターでもお馴染み、飯野耀子さん。
シェフたちが繰り広げる華麗なるお料理と共に、お楽しみください。

※ボキューズ・ドール国際料理コンクールとは?
1987年にフランス料理界の巨匠、ポール・ボキューズの呼びかけによりスタートしたフランス料理の世界No.1シェフを決めるコンクール。2年に1度、フランス・リヨンで開催される。
2005年度の日本大会では約100人のシェフが応募し日本一を争い、国際大会では全世界から24ヶ国の国内予選を勝ち抜いた代表選手が参加。
国の代表として各国の名誉と威信をかけて行われる国家レベルのコンクールとして最も権威のあるこの大会はフランス料理のW杯とも称されるほど。

初挑戦にしてアジア代表の快挙!

まずは、2010年度ボキューズ・ドール国際料理コンクール国内優勝、そしてアジア代表として来年は世界大会へ挑戦する中洲達郎シェフにお話を伺いました。
[飯野] この度はおめでとうございます! 今回、ボキューズ・ドール初挑戦ということですが?
[中洲] コンクールというものは、私にとっては今まで別世界だと思っておりました。それがブレストンコートに入社したことがきっかけで興味を持ち、今年初挑戦いたしました。やはり浜田シェフの影響もあり、ボキューズに挑戦したい一心で、今回の結果は本当にうれしいです。
[飯野] 本当に初挑戦でアジア代表にまでなられてしまうのですから、素晴らしいですよね。実際に挑戦されてみていかがでしたか?
[中洲] 想像していた内容とは全く違う世界でした。レストランで提供している料理とは全く違うような気もします。世界中の異なる文化の人たちが審査員としているので、その人たち全員に美味しいと評価してもらう必要があります。例えば、魚を半生の状態で提供し、日本ではそれをおいしいと評価しますが、他の国では火の通しが弱い、未完成の料理とみられる場合があります。ですから最初は何を料理したらよいのか皆目見当もつかず。歴代の作品をひたすらマネしてみたりもしました。なかなか出口が見えない日々が続きました。
[飯野] それを脱したのはどんなきっかけだったんですか?
[中洲] 浜田シェフに相談し、やはりコンクールといっても料理は美味しくなければダメだという結論に至りました。一から考え直した結果、信州の素材を使って挑戦しようと決め、最終的な作品ができあがりました。
[飯野] みなさんが普段、私たちに出してくださるお料理の原点に戻られたんですね。信州の食材はどんなものを使われたんですか?
[中洲] 指定食材が鴨でしたので、りんごやクレソン、くるみなどを信州のもので仕立てました。
[飯野] アジア大会の指定食材である「おひょう」(※カレイ科の白身魚)はなかなか現物が手に入らなくて大変だったようですが、うまくいってよかったですね。
[中洲] 市場になかなか出回らない魚なので、手に入れるのが大変でしたが、その分、1回1回の練習にかなり集中することが出来ました。料理内容は、「おひょう」にオマールエビをあわせ、基本のしっかりとしたフランス料理に仕上げました。
[飯野] 来年はいよいよ世界大会ですね。まだ少し時間がありますがどうですか?
[中洲] 世界での戦いは、まだ経験もありませんので、浜田シェフにサポートしていただきながらがんばります。すでに料理内容に関しては、考え始めています。戸惑いや不安はありますが、練習を自信につなげていきます。プレッシャーもありますが、アジア代表初の優勝を目指したいと思います。
[飯野] 頑張ってくださいね。私も微力ながら応援しています。
ところで今回の出場にあたって浜田シェフから支えになる言葉があったとか?
[中洲] はい。“美味しくなければ駄目だ”ということを軸に、ブレのないようにします。あとは自分の料理に自信を持って提供するということですね。
[飯野] シンプルですけど凄く支えになる教えですね。
中洲シェフのお料理をこれから食べる方に、今回の入賞作品である特別ディナー以外に、どんなお料理がおススメですか?
[中洲] 大会を通して学んだことを、レストランでお客様に提供する料理に活かしたいと常に思っておりますが、やはり旬の地元の食材を使用した料理がおススメです。素材ごとに一番おいしい時期は違いますので、生産者の人ともコミュニケーションをとり、素材をうまく活かしていきたいと思っております。
[飯野] なるほど。今後、ますます軽井沢に来る楽しみが増えました。世界大会、頑張ってくださいね!
[中洲] ありがとうございます。



【中洲 達郎(なかす たつお) プロフィール】

ホテルブレストンコート メインダイニング
「レストラン ノーワンズレシピ」料理長
1976年生まれ(33歳) 東京都出身

2009年 ボキューズ・ドールコンクール日本大会にて優勝。
2010年 ボキューズ・ドールコンクール世界大会に日本代表として出場予定。

国内有名レストランにて修行の後、軽井沢内のレストランにて副料理長、料理長として活躍。
後に佐渡島に場所を移し、海の素材を扱い活躍。
素材の豊富な山・海の近くで活躍した経験を活かし、地元食材を見極め、季節毎に山に入り、使用食材を摘み取ることも多い。

総料理長 浜田シェフのまなざし

ボキューズ・ドール国際料理コンクール国内最年少優勝者であり、ホテルブレストンコート総料理長の浜田統之シェフ。
実は今回、中洲シェフ、3位入賞の坂家シェフの上司でもあり、ボキューズ・ドールコンクールの審査員でもあるという複雑な立場でした。
その環境の中で、どのように彼らを支え、そして見守ってきたかについて、お話を伺いしました。
[飯野] 改めて、この度はおめでとうございます。浜田シェフに次いで、後輩の方たちが素晴らしい活躍をされましたね。
[浜田] ありがとうございます。ただ、正直なところをいうと、うまくいきすぎて怖いという部分もあります。私の場合は何度もコンクールに失敗して、その中から一つ一つ学び、次回につながるものを得ながら階段を登ってのボキューズ・ドールコンクールでした。悔しさから2か月くらい食欲がなかったこともあります。そしてそこからまた這い上がって、コンクールへ挑戦するといった経緯がありました。
しかし今回、中洲も坂家も、私がいるのでそういった部分についてはショートカットできてしまう環境があります。もちろん、ホテルとしては勝ってもらいたいし、そのための指導者として私も居るわけですから、失敗も経験談も惜しみなく彼らに伝えるのですが、彼らにとってそれをスルーしてしまうことがいいことなのかどうかという点については悩まなかったといえば嘘になります。もちろん、何もかもを僕が指揮しているわけではないので、最後は彼らに決めさせていますが。
[飯野] なるほど。それは確かに複雑ですね。
[浜田] そうはいっても、彼らが入賞した時は本当にうれしかったですよ!
[飯野] それはそうですよね。一ファンである私もとても嬉しかったですもの。浜田さんは今回、審査員でもいらしたわけですが、そのあたりについての葛藤などはいかがでしたか?
[浜田] それについては、部下が出ているので審査はできないということを審査委員長にお伝えしました。ですから、僕の意見は参考程度にということで提出させていただきました。
[飯野] そうだったんですね。なんかちょっと涙が出てきちゃうかも。そういった中での優勝と入賞は本当にうれしかったですね!アジア代表にもなった中洲シェフが、世界大会を全力で戦ってくれることを祈るばかりです。
ところで、今年は浜田シェフにとっても、何か新しい挑戦があるとか?
[浜田] 実はブレストンコートの敷地内に新しいレストランをオープンいたします。 リゾートにおけるグランドメゾンというのを作っていくというコンセプトのレストランです。フランスでいえばパリ市内にあるレストランと、郊外にある三ツ星レストランの違いといった感じですが。郊外に立地しているけれど、提供する料理は世界水準で勝負します。
[飯野] リゾートにおけるグランドメゾン!なんだか、とても魅惑の響きですね。
[浜田] はい(笑)、リゾートという土地ならではの、スーツを着ないでリラックスした状態で味わっていただくグランドメゾンです。
先ほど、世界水準ということを申し上げましたが、その中には私どもが日ごろから大切にしている“信州という土地のオンリーワン性”も含まれています。信州でしかできないことをやりたいと考えています。
[飯野] 浜田シェフにとって本当に大きくて新しい挑戦ですね。
[浜田] 今はそのレストランを成功させることというのが、一番の課題です。その過程の中で自分の料理、そして世界感というものをより確立していきたいと考えています。また、日本の食文化をフランス料理において向上させたいということも考えています。日本の食文化をフランス料理を通して改善したいという感じでしょうか。
[飯野] 私、浜田シェフのお料理って、頂く度に顔が違って、ものすごく引出しの多い方だなと常日頃感じているのですが、その引出しが大きさと共に更に増えるといった感じですね。今からオープンが本当に楽しみです。
その前にフランスにもしばらく行かれるそうですが、帰国後、新たな浜田シェフの味に出合えることを期待しています。
[浜田] はい、フランスで実際に学び、グランメゾンの料理に活かしていきますので、期待していてください。
[飯野] 最後に読者の方にメッセージをいただけますか?
[浜田] 日々、料理もスタッフ自身も進化しているので、その進化の過程を味わいに、是非一度はお越しください!





【浜田 統之(はまだ のりゆき) プロフィール】

ホテルブレストンコート総料理長
1975年生まれ(34歳) 鳥取県出身

2004年 ボキューズ・ドールコンクール日本大会最年少優勝
2005年 ボキューズ・ドールコンクール世界大会に日本代表として出場。
2007年 ボキューズ・ドール・アカデミーの会員に選ばれる。
2008年 ル・テタンジェ料理賞コンクール日本大会にてファイナリスト。

地元長野の季節毎の産物を、繊細な飾り付けで絵画のように仕立てる技術に定評がある。
産地に自ら訪れることを欠かさず、野菜を作るところから始まる浜田の料理は、食材の豊富な土地でしかできない。
伝統的な技法を用いながらも、現代風にアレンジし、鮮やかに仕上げる料理が特徴。

料理の美味しさを最大限に引き出す空間を

浜田シェフからお話のあった、新しくオープンするレストランについて、ホテルブレストンコート総支配人の長屋さんからもお話を伺いました。
[飯野] この度は、中洲シェフのアジア代表決定、そして浜田シェフの新しいレストランオープン、おめでとうございます。
[長屋] ありがとうございます。
[飯野] 今回のコンクールで、ブレストンコートにはボキューズ・ドール入賞者が3名ということになったわけですが、いかがですか?
[長屋] 本当にうれしいことだと思っております。また今回は、私どもにとっては東京に拠点を置かずとも世界に出ていけるということを証明できた、そういった意味でも非常に意義のある結果だったと考えております。
[飯野] なるほど。確かに日本の土壌ではそういった意味でも大いなる快挙ということが言えますね。本当に素晴らしいです。
それでは、新しいレストランについて伺いたいのですが、どんなレストランになる予定ですか?
[長屋] 信州らしさをベースに24席の小規模なレストランを予定しています。小さい規模だからこそ出来るお料理の温度や出来たて感、サービスの提供を行います。装飾も個性や奇抜さではなく、料理をいかにおいしく召し上がっていただくかを主軸に設計を考えております。窓の位置、明かりの取り方、座席の配置や外の風景など、すべては食事に集中するための空間に致します。料理の美味しさを最大限に引き出すことのできる空間は何だろう?美味しいと感じて頂ける状態はどういうことなのか?ということをテーマに考えています。
[飯野] あ~本当に早く出来ないかしら!
[長屋] 一気に流行るということより、長く愛されるレストランを目指したいと考えております。
[飯野] 上質なレストランの誕生という感じですね。こちらのレストランに関して、長屋さんからも読者の方へメッセージをいただけますか?
[長屋] 今回の取組みにおいて、私どもでは、地方でも超一流の料理を提供できるということを証明したいと考えています。新しいレストランを成功させることで、東京だけではなく、地方だからこそやりがいがあるという、地方の食文化の発信、また、そこに貢献していきたいと考えています。軽井沢という土地で“料理を一番おいしい”と思える環境、そして世界に誇る“フランス料理のスぺシャリテ”をご用意します。究極の美食体験にぜひお越しくださいませ。

世界に羽ばたく味を堪能して…

最後に、飯野耀子さんが、中洲シェフによる受賞記念 特別メニューを味わいました!!
今まで何度も訪れているノーワンズレシピですが、今回のディナーは特別な夜に。

日本のみならず、アジアを代表して世界に挑戦する中洲シェフの繰り広げてくれた味は、ひとつひとつが目で楽しみ、そして今回一番大事にされていた 「まず料理は美味しいということが大事」 という基本がしっかりと宿った素晴らしいお料理でした。

特に、エピスとの組み合わせが絶妙な鴨料理は、鴨がデザート食材になってしまったのか?と思うほどに甘味とのマッチングが素晴らしく、また斬新な組み合わせで、近い将来、日本のフランス料理に確かな足跡を残すであろう逸材の予感を感じさせてくれるものでした。
また、美目麗しいという名にふさわしいプレートの数々には、ナイフを入れるのが申し訳ないほどのアートとしての感動も。
これらの料理を、「それを味わう為に旅行する価値がある卓越した料理」と言ってもいいのではないかと思うのは、私だけではないはず。

世界の味を味わえるこの機会に、ぜひ、ホテルブレストンコート・レストラン「ノーワンズレシピ」を訪れてみてください。

ホテルブレストンコート
住 所: 〒389‐0195 長野県軽井沢町星野
TEL: 0267-46-6200
URL: http://www.blestoncourt.com/
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