[飯野] この度はおめでとうございます!
今回、ボキューズ・ドール初挑戦ということですが?
[中洲] コンクールというものは、私にとっては今まで別世界だと思っておりました。それがブレストンコートに入社したことがきっかけで興味を持ち、今年初挑戦いたしました。やはり浜田シェフの影響もあり、ボキューズに挑戦したい一心で、今回の結果は本当にうれしいです。
[飯野] 本当に初挑戦でアジア代表にまでなられてしまうのですから、素晴らしいですよね。実際に挑戦されてみていかがでしたか?
[中洲] 想像していた内容とは全く違う世界でした。レストランで提供している料理とは全く違うような気もします。世界中の異なる文化の人たちが審査員としているので、その人たち全員に美味しいと評価してもらう必要があります。例えば、魚を半生の状態で提供し、日本ではそれをおいしいと評価しますが、他の国では火の通しが弱い、未完成の料理とみられる場合があります。ですから最初は何を料理したらよいのか皆目見当もつかず。歴代の作品をひたすらマネしてみたりもしました。なかなか出口が見えない日々が続きました。
[飯野] それを脱したのはどんなきっかけだったんですか?
[中洲] 浜田シェフに相談し、やはりコンクールといっても料理は美味しくなければダメだという結論に至りました。一から考え直した結果、信州の素材を使って挑戦しようと決め、最終的な作品ができあがりました。
[飯野] みなさんが普段、私たちに出してくださるお料理の原点に戻られたんですね。信州の食材はどんなものを使われたんですか?
[中洲] 指定食材が鴨でしたので、りんごやクレソン、くるみなどを信州のもので仕立てました。
[飯野] アジア大会の指定食材である「おひょう」(※カレイ科の白身魚)はなかなか現物が手に入らなくて大変だったようですが、うまくいってよかったですね。
[中洲] 市場になかなか出回らない魚なので、手に入れるのが大変でしたが、その分、1回1回の練習にかなり集中することが出来ました。料理内容は、「おひょう」にオマールエビをあわせ、基本のしっかりとしたフランス料理に仕上げました。
[飯野] 来年はいよいよ世界大会ですね。まだ少し時間がありますがどうですか?
[中洲] 世界での戦いは、まだ経験もありませんので、浜田シェフにサポートしていただきながらがんばります。すでに料理内容に関しては、考え始めています。戸惑いや不安はありますが、練習を自信につなげていきます。プレッシャーもありますが、アジア代表初の優勝を目指したいと思います。
[飯野] 頑張ってくださいね。私も微力ながら応援しています。
ところで今回の出場にあたって浜田シェフから支えになる言葉があったとか?
[中洲] はい。“美味しくなければ駄目だ”ということを軸に、ブレのないようにします。あとは自分の料理に自信を持って提供するということですね。
[飯野] シンプルですけど凄く支えになる教えですね。
中洲シェフのお料理をこれから食べる方に、今回の入賞作品である特別ディナー以外に、どんなお料理がおススメですか?
[中洲] 大会を通して学んだことを、レストランでお客様に提供する料理に活かしたいと常に思っておりますが、やはり旬の地元の食材を使用した料理がおススメです。素材ごとに一番おいしい時期は違いますので、生産者の人ともコミュニケーションをとり、素材をうまく活かしていきたいと思っております。
[飯野] なるほど。今後、ますます軽井沢に来る楽しみが増えました。世界大会、頑張ってくださいね!
[中洲] ありがとうございます。